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Britten/戦争レクイエム [声楽曲]

しばらく前に書きかけたエントリーだったのですが、セーブに失敗したので萎えてしまいました。それだけが理由ではありませんが、今月のエントリーは3つだけ。ちょっと寂しいですね…。

さて曲は、昨年の3月に何度かに分けてご紹介した「戦争レクイエム」、私の大好きな曲・録音のひとつです。

ブリテン:戦争レクイエム

ブリテン:戦争レクイエム

アマゾンにはいくつか自作自演の「戦争レクイエム」がありますが、現役盤のリンクは上のものだけだと思います。というわけで、やっと「リハーサル盤」を聴くことができたのでご紹介したいと思います。本編の録音などについては以前書きましたので、そちらをご覧いただければありがたいです。

いろいろそろったので写真を撮ってみました。

147m.JPG

左がLP、真ん中が今回購入したCD(ちょっと照明がうつりこんでしまいました)、右手前がフルスコア、奥がヴォーカル・スコアです。一見、真っ黒で似たような体裁なのですが、楽譜はフォントが微妙に違います。

今回聴きなおして感じたのは、その後の各種の録音と比べてみても、厳しく、鬼気迫る音楽だということです。録音の限界が、そういう雰囲気を助長しているのかもしれませんが、とにかく、全体的に引き締まったテンポで、緊張を聞き手にも強いる録音だと思いました。

感動を新たにしたあと、続くリハーサルを聞いてみると、まさにその緊張感をはじめとして、苦しさ、空疎感など、場面場面において厳しい表情をもって、という意味の指示が必ず出されています。特に合唱は「美しく歌わない」ことを何度か指示されています。あちこちで紹介されているように、ブリテン(イギリス人?)独特のユーモアを交えてではありますが、われわれが現在感じるよりも恐ろしく、つらく、虚しい音楽となることをブリテンは欲していたようです。そう思うと、各種の他の指揮者による録音は、おしなべて美しすぎるように感じられてしまいます。

またこのリハーサルの録音を聞いて(聴いて)驚くのは、音が鮮明なことです。指揮者用譜面台につけた一本のマイクで隠し撮りしたとのことでブリテンの言葉や近くの音楽は非常に鮮明に聞こえます。オーケストラのバランスは悪いですが、ブリテンの耳にはこれに近く聴こえているわけで、指揮者の位置が(視覚的には中心でも)音響的にはベストでないということがわかります。この録音はスタジオですから配置にもいろいろ制約があるでしょうが、実はステージでも、指揮者の位置ではオーケストラの音を「正しく」は聞けないのです。

話をもとに戻すと、リハーサルの内容で面白いと思ったのは、ヴィシネフスカヤがプレイバックを聴いて自分の歌唱に不満を持ったのに対して、ブリテンが「そんなことはない、すばらしい」となだめているところ。通訳に向かってロシア語でまくし立てているのが印象的でした。その後、カルショウの「もう時間がない」の一言で次のセッションに進んでしまう(らしい)のも、「録音風景」らしさが出ていますね。

リハーサルのほとんどの会話について日本語訳が書かれているので、この曲に限っては(少なくとも私にとっては)日本語盤を買う価値がありました。全体にはよく訳されているのですが、苦言をひとつだけ。第1曲のリハーサルでブリテンが、「1, 2, 3, 4; Re-qui-em-( ) 」とリズムを指示するくだりがあるのですが、そこの訳が「1・2・3・4、レ・ク・イ・エ・ム」となっているのです。CDを聴く前に読んだときは意味がよくわからず、耳で聞いて納得しました。聞いてわかることではありますが、この表記では翻訳者、編集者の音楽に対する見識を疑ってしまいます。


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